実務

放デイの時間区分と報酬単価|算定時間数の決め方と個別支援計画・記録の関係

2026年10月18日 株式会社KOTOHA

「利用時間が計画より短くなった日は、報酬の区分が下がるのか」「送迎の時間も含めて数えるのか」。時間区分について、こうした疑問を持つ方に向けて整理します。

放課後等デイサービスの基本報酬は、サービス提供時間の区分(時間区分)、医療的ケア区分、利用定員などの組み合わせで決まります。このうち時間区分は、実際に事業所にいた時間ではなく、個別支援計画にあらかじめ定めた標準的な時間に対応する区分で算定するのが原則です。

この記事では、告示と留意事項通知にもとづいて仕組みを整理し、遅刻・早退・延長が出た日の記録を架空の例で示します。単位数は地域区分や定員で変わるため、仕組みを中心にします。

この記事で確認した原典

基本報酬は何で決まるか

告示の第3(放課後等デイサービス)の1は、事業所の類型ごとに区分を分けています。

この記事が扱うのは、時間区分のあるイです。医療的ケア区分1〜3に当たる子どもは別の単位数があり、ここでは当たらない就学児だけを例にします。

時間区分と「授業終了後・休業日」

イの時間区分は3つです。

時間区分提供時間授業終了後休業日
時間区分130分以上1時間30分以下設けられている設けられている
時間区分21時間30分超3時間以下設けられている設けられている
時間区分33時間超5時間以下設けられていない設けられている

告示の注1・注1の2は、時間区分1・2を「授業終了後又は休業日」、時間区分3を「休業日」に行う場合と分けて書いています。時間区分3は休業日の利用だけです。

なお、休業日の営業時間が6時間未満の事業所には、開所時間による減算があります(告示の第3の1の注5)。運営規程の営業時間の話で、通知は個々の子どもの実際の利用時間は問わないとしており、時間区分とは別の仕組みです。

「授業終了後」「休業日」がどの日を指すかは、指定権者の案内と運営規程で確認してください。

単位数の例(定員別)

地域区分、定員、医療的ケア区分、加算で単位数や金額は変わるため、全体は載せません。例の一つとして、告示第3の1のイの(1)〜(3)の(四)(医療的ケア区分1〜3に該当しない就学児)の数字を示します。

利用定員時間区分1時間区分2時間区分3(休業日のみ)
10人以下574単位609単位666単位
11人以上20人以下382単位406単位443単位
21人以上287単位305単位343単位

出所:告示の第3の1のイの(1)〜(3)の各(四)。1日あたりの単位数です。

時間区分は「計画に定めた時間」で決まる

告示の第3の1の注2の4は、イの算定にあたって、現に要した時間ではなく、放課後等デイサービス計画(個別支援計画)に位置付けられた内容の支援を行うのに要する標準的な時間に対応する時間区分で算定する、と定めています。

留意事項通知は、これをさらに具体的に述べています(第二の1の(3の2)②・③、および(3))。要点を並べます。

1. 「サービス提供時間」は、計画で定めた標準的な時間。 通知は、サービス提供時間を「現にサービスの提供に要した時間ではなく」、計画に位置付けられたサービスを行うのに要する標準的な時間としてあらかじめ計画において定めたものとしています。

2. 計画に定め、保護者に説明する。 標準的なサービス提供時間をあらかじめ計画に定めておく必要があり、提供開始にあたって保護者に事前に十分説明することが求められています。

3. 実際の時間が計画より短くなったとき。 通知は、現に要した時間が計画に定めた時間より短い場合を、次のように分けています。

4. ずれが続いているとき。 通知は、計画上の時間が実際に要した時間と合致しないことが常態化している場合、速やかに計画を見直すことを求めています。

5. 送迎の時間は含めず、30分以上。 通知は、サービス提供時間は送迎に係る時間を除き、30分以上である必要があるとしています。告示の注3は、30分未満のものを、計画に基づき環境に慣れるために短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限り算定するとしています。

ここまでが、通知が求める最低ラインです。どちらの「事情」に当たるかは事実関係で判断されます。迷う場合は指定権者に確認してください。

延長支援加算との関係

別に延長支援加算があります。告示では、計画上の標準的な時間が、授業終了後は3時間、休業日は5時間のものに限り、その前後に、別に計画に位置付けた延長支援(標準的な時間が1時間以上のもの)を行う場合が対象です(告示の第3の10)。通知は、延長が必要な理由と延長の時間を、あらかじめ保護者の同意を得て計画に位置付けること、延長の時間に送迎の時間を含めないこと、延長の時間帯に2人以上の従業者を置くこと、運営規程の営業時間が6時間以上であることなども定めています(児童発達支援の延長支援加算の取扱いを、放課後等デイサービスが準用)。

大分市の同じ資料には、延長支援加算(障害児通所支援)の指摘として、「個別支援計画に位置付けた標準的なサービス提供時間の前後の延長支援時間を、それぞれ1時間以上で設定していない」「個別支援計画に位置付けた標準的なサービス提供時間が、延長支援を行うのに必要な時間を満たしていない」の2項目も挙げられています。

令和6年度と令和8年度の変更

令和6年度。 改定事項の概要(10ページ)には、時間区分1〜3の導入、時間区分は計画に位置付けた標準的な時間で決まること、それまでの授業終了後(平日)と学校休業日の区分を統合したうえで時間区分3は学校休業日のみ算定できること、5時間を超える支援は延長支援加算で評価することが書かれています。

令和8年度。 令和8年3月31日の告示改正(令和8年こども家庭庁告示第5号、令和8年6月1日適用)で、放課後等デイサービスについて変わったのは、①令和8年6月1日以降に新規に指定を受けた事業所の単位数(注11の新設)と、②福祉・介護職員等処遇改善加算の率の二つです。時間区分と、イの単位数そのものは変わっていません。①の対象の事業所は、イの単位数の1000分の982で算定します。主として重症心身障害児を通わせる事業所や、定められた地域に所在する事業所などは対象外で、医療的ケア区分に当たる子どもや、強度行動障害児支援加算などを算定した子どもは、その月は通常の単位数になります。期間について、Q&A VOL.1の問6は、令和9年の報酬改定までの間のみ適用するとしています。

運営指導で見られる点

大分市の「令和7年度指導監査における主な指摘・指導事項<障害福祉サービス等>」では、報酬請求の「基本報酬の算定について」に、生活介護・児童発達支援・放課後等デイサービスの共通の指摘として、次の3つが挙げられています。

これは、先ほどの2・4と、告示の「現に要した時間ではなく」に対応しています。

記録の残し方|架空の例10組

通知が求めているのは、標準的な時間を計画に定め、保護者に事前に説明することです。実際の来所・退所の時刻や遅刻・早退の理由の記録までは、通知は直接定めていません。ただ、ずれた日の理由が事業所の都合か子ども・保護者の事情かは、記録がなければ後から読み取れません。

下の例は、すべて架空です。「読み取れる書き方」が唯一の正解というわけではありません。どの時間区分で算定できるかは、記録の書き方ではなく、計画の内容と実際の事情で決まります。

例1|授業終了後の計画時間の定め方

例2|休業日の計画時間の定め方

例3|実際の利用時間の記録(送迎を除く)

例4|遅刻した日(保護者の事情)

例5|早退した日(子どもの体調)

例6|事業所の都合で短くなった日

例7|予定より長く預かった日

例8|ずれが続く場合(計画の見直し)

例9|30分未満の短い利用(慣れるための段階的な利用)

例10|計画の時間を変更するとき

これらの例に共通するのは、次の4点です。

  1. 計画の時間を、開始と終了で示す。
  2. 実際の時刻を、送迎と分けて残す。
  3. ずれた日の理由と、誰の事情かを残す。
  4. ずれが続くときは、計画の見直しにつなげる。

実際の時刻や理由まで書く運用は、通知が直接求めるものではありませんが、当社は、これらを記録に残すことをおすすめします。最低ラインは、標準的な時間を計画に定め、保護者に説明することです。自治体の指導の方針に合わせてください。

よくある質問

Q. 子どもが計画より早く帰った日は、時間区分が下がりますか。 A. 通知は、事業所の都合で短縮されたときは現に要した時間、子どもや保護者の事情で短縮されたときは計画に定めた時間で算定するとしています。どちらに当たるかは個々の事情で確認が必要です。

Q. 送迎の時間は、サービス提供時間に含まれますか。 A. 通知は、送迎に係る時間を除くとしています。

Q. 実際の利用が計画より長くなった日はどうなりますか。 A. 時間区分は、現に要した時間ではなく計画の標準的な時間で決まります。長くなった場合に区分を変える定めは、今回確認した範囲では見つかりませんでした。ずれが続くなら計画の見直しが必要です。延長支援は、延長支援加算の定めで確認してください。

Q. 30分未満の利用でも算定されますか。 A. 告示の注3は、計画に基づき環境に慣れるために短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限るとしています。

Q. 時間区分3は、平日の放課後にも使えますか。 A. 告示は、時間区分3を休業日に行う場合に限っています。

まとめ

時間区分は、実際の滞在時間ではなく、個別支援計画にあらかじめ定めた標準的な時間で決まります。短縮された日は、事業所の都合か子ども・保護者の事情かで取扱いが分かれ、ずれが続くときは計画の見直しが求められます。

計画の時間を丁寧に定め、ずれた日の理由を記録に残す運営が、運営指導で説明するときにも、日々の支援を振り返るときにも、手がかりになります。

記録を、日々の支援の中で残すために

そだちノートは、支援員が話すと、AIが短い問いかけで場面を聞き返し、施設の中で共有する記録文に整えるアプリです。そこから、先生が確認して送る保護者向けのおたよりと、明日以降に試すこと(観察する点・関わり方の案)ができます。来所・退所の時刻や送迎、欠席の連絡を残す記録画面や、加算の点検・算定の見込みは、いまは準備中です。記録の判断と、報酬の区分や加算を算定してよいかどうかの判断は、いつも事業所が行います。

※この記事は、2026年10月18日時点の告示・留意事項通知にもとづく一般的な情報です。自治体によって運用が異なる場合があります。個別の算定の判断は、お住まいの自治体や、所管の窓口にご確認ください。

株式会社KOTOHA
放課後等デイ・児童発達支援むけ観察記録アプリ「そだちノート」の運営元です。

その子の"そだち"を、今日から。

初期費用0円・縛りなし。まずは無料でお試しください。

App Storeで無料ダウンロード 相談する 経営セルフ診断(2分)