実務

欠席時対応加算とは|算定要件・単位数・記録の残し方(放課後等デイ・児童発達支援)

2026年10月18日 株式会社KOTOHA

「利用予定の子どもが当日の朝に休むと連絡してきた。電話で様子を聞いたが、これは欠席時対応加算になるのか」「1回の連絡で数日休むと言われたとき、何回分の記録を残せばいいのか」。管理者の方から、こうした迷いを聞くことがあります。

欠席時対応加算は、利用を予定していた日に急病等で利用を中止した子どもについて、従業者が本人や家族と連絡をとって相談援助を行い、その状況と内容を記録した場合に、1月につき4回までを限度に算定する加算です。要件は短い条文に収まっていますが、連絡の時期、相談援助、記録の三つを、後から説明できる形にしておく必要があります。

この記事では、告示と留意事項通知の現行の定めだけを根拠に、単位数と要件を整理し、「何をどう記録しておけば、要件を満たしていたことが読み取れるか」を架空の記録例で示します。

この記事で確認した原典

欠席時対応加算とは

利用を予定していた日に子どもが急病等で休んだとき、事業所が家族と連絡をとり、状況を確認して相談に応じた場合に評価される加算です。現行の告示では、区分を設けない単一の単位数で、児童発達支援・放課後等デイサービスのどちらにも定められています。

単位数と回数の上限

サービス告示の位置単位数1月の上限
児童発達支援別表 第1の794単位4回
放課後等デイサービス別表 第3の594単位4回
重症心身障害児の特例(後述)児発 第1の1のハ/放デイ 第3の1のロを算定する事業所94単位8回

上限は「1月につき」です。通知が重症心身障害児の特例を「重症心身障害児に限り8回」と子どもについて定めていることからも、上限は子ども1人ごとに数えるものと読めます。

算定要件を整理する

告示と通知の定めを、記録との関係がわかるように並べます。

1. あらかじめ利用を予定した日の中止であること。 告示は、あらかじめ利用を予定していた日に、急病等によって利用を中止した場合について定めています。

2. 連絡の時期は、中止した日の「前々日、前日又は当日」。 通知は、急病等によりその利用を中止した日の前々日、前日または当日に中止の連絡があった場合について、算定可能とすると定めています。たとえば10日の利用を休む連絡が、8日・9日・10日のいずれかにあったことが、記録から読み取れる必要があります。

3. 連絡調整その他の相談援助を、従業者が行うこと。 通知は、これを「電話等により当該障害児の状況を確認し、引き続き当該指定児童発達支援等の利用を促すなどの相談援助を行う」ことと説明しています。直接の面会や自宅への訪問は要りません。 休みの連絡を受け取っただけでは、状況の確認や相談援助を行ったとは読み取りにくい点に注意が必要です。

4. 子どもの状況と相談援助の内容を記録すること。 告示は、子どもの状況や相談援助の内容等を記録した場合に算定するとしており、記録が算定の要件に組み込まれています。通知も、相談援助の内容を記録することを求めています。

5. 月の上限は4回。 上限を超えた分は、記録があっても算定の対象になりません。

6. 重症心身障害児には特例がある。 児童発達支援では、重症心身障害児に対して指定児童発達支援を行う区分(第1の1のハ)を算定している事業所で、1月に利用した障害児の延べ人数が「利用定員に営業日数を乗じた数」の80%に満たない場合は、重症心身障害児に限り、上限が8回になります。放課後等デイサービスでは、主として重症心身障害児を通わせる事業所の区分(第3の1のロ)を算定している事業所について、告示に同様の定めがあります。

7. 取り違えやすい点:1回の連絡で、休みの日数分をまとめて算定しない。 通知には、1回の連絡で数日分の休みを聞いた場合の扱いについての定めはありません。ただし、自治体の運営指導では指摘されています。郡山市が令和8年6月に示した資料「運営指導における主な指摘事項等について(報酬)」は、7月1日に「今日と明日(7月2日)も休む」と連絡があった場合、算定できるのは7月1日だけで、7月2日分は過誤調整の対象になる、という例を挙げ、「1度の欠席連絡・相談援助で算定できるのは1回のみ」と注意しています。また、連絡の時期の要件(前々日・前日・当日)だけをみても、連絡を受けた日から3日以上先の休みは対象に入りません。

運営指導で見られる点

大分市が公表している「令和7年度指導監査における主な指摘・指導事項<障害福祉サービス等>」には、「報酬請求」の「加算の算定について」の項目に、欠席時対応加算として次の二つが挙げられています。

この資料は障害福祉サービス・障害児通所支援・相談支援をまとめた区分での記載で、児童発達支援・放課後等デイサービスに限った指摘かは区別できません。公表日の記載も資料内にありません。二つ目の指摘は要件の2(連絡の時期)と4(記録)に、一つ目は要件の7に対応していると読めます。

児童発達支援・放課後等デイサービスを対象に明記している自治体の資料もあります。郡山市の令和8年6月の資料(前掲)は、欠席時対応加算について、記載すべき内容として次の5つを挙げています。

宇都宮市の指定障害児通所支援事業者への運営指導の指摘事例には、欠席時対応加算の対応記録が不十分なこと、急病等により利用を中止した場合以外で請求していたことが挙げられています。

自治体によって確認の仕方や運用は異なります。実際の運営指導では、お住まいの自治体の通知や、事前に示される確認項目をあわせて見てください。

記録の残し方|架空の例13組

通知が求めるのは、子どもの状況と相談援助の内容の記録です。記載項目を細かく定めてはいませんが、「連絡を受けた日付」の記録は、大分市の指摘事項にも表れています。郡山市は記載すべき内容を5つ挙げています(前述)。

下の例は、すべて架空です。「弱い書き方」は後から説明しにくい例、「読み取れる書き方」は要件を満たしていたことが読み取れる一例で、唯一の正解ではありません。算定できるかどうかは、記録の書き方ではなく、実際に要件を満たしていたかで決まります。

例1|当日の朝の電話(連絡の時期と理由)

例2|前日の連絡と、連絡した人

例3|前々日の連絡

例4|連絡の時期が前々日より前だった場合(算定の対象にしない記録)

例5|休みの連絡と、状況確認の電話を分けて残す

例6|1回の連絡で数日分を休むと聞いた場合

例7|相談援助の内容(家族の困りごと)

例8|次回の利用予定の確認

例9|電話がつながらなかった場合

例10|急病等にあたらない場合(算定の対象にしない記録)

例11|月の回数の管理

例12|重症心身障害児の特例の確認(事業所単位の月次記録)

例13|実績記録票との整合

これらの例に共通するのは、次の5点です。

  1. 利用予定日と、連絡を受けた日時を分けて残す。 前々日・前日・当日のどれかが読み取れる。
  2. 誰から、どの手段で連絡があったかを残す。 応対した従業者も書いておくと、後から経緯をたどれる。
  3. 理由と子どもの状況を、聞いたとおりに残す。 診断や助言ではなく、聞き取った事実を書く。
  4. 相談援助の内容を、具体的に残す。 「何を聞き、何を伝えたか」が読み取れる。
  5. 次回の利用の見通しと、月の回数を残す。 上限の管理に使える。

通知が求めているのは、子どもの状況と相談援助の内容の記録です。郡山市は令和8年6月の資料で、記載すべき内容として、連絡を受けた日と欠席日、誰から連絡があったか、連絡を受けた職員名、欠席の理由と利用者の状況、相談援助の内容の5つを挙げています。月の累計回数や実績記録票との照合まで書く運用は、当社の考えです。自治体の指導の方針に合わせてください。

よくある質問

Q. 休みの連絡を受けただけでは、算定の対象になりませんか。 A. 通知は、電話等で子どもの状況を確認し、引き続き利用を促すなどの相談援助を行って、内容を記録することを求めています。直接の面会や訪問は要りませんが、連絡を受け取っただけでは要件を満たしたことが読み取りにくい点に注意してください。

Q. 3日前に連絡があった休みも対象になりますか。 A. 通知が算定可能とするのは、利用を中止した日の前々日、前日または当日に中止の連絡があった場合です。それより前の連絡は、通知の文言上は対象に含まれていません。

Q. 月4回を超えて連絡を受けたときはどうなりますか。 A. 条文上、算定できるのは1月につき4回までです。

Q. 重症心身障害児は、いつでも8回までですか。 A. 事業所の算定区分と、その月の延べ利用人数が定員×営業日数の80%に満たないことの両方が条件です。

Q. 家族の予定で休んだ場合も「急病等」に入りますか。 A. 告示は「急病等」と定めていますが、通知は「等」の範囲を例示していません。宇都宮市は、障害児通所支援事業者への運営指導の指摘事例で、急病等により利用を中止した場合以外の算定として「家事都合」「雨のため」「定期通院のため」を算定不可とし、過誤調整を求めています。迷う場合は、お住まいの自治体に確認してください。

まとめ

欠席時対応加算は、①利用予定日の「前々日・前日・当日」の連絡、②従業者による状況の確認と相談援助、③子どもの状況と相談援助の内容の記録、の三つがそろって、はじめて説明できる加算です。通知は連絡を受けたうえでの相談援助を求めており、また1回の連絡を休みの日数分に数えないよう指摘する自治体もあります。

単位数は94単位、上限は原則1月4回です。日付と内容が読み取れる記録を残していく運営が、運営指導で説明するときにも、日々の家族への対応を振り返るときにも、手がかりになります。

記録を、日々の支援の中で残すために

そだちノートは、支援員が話すと、AIが短い問いかけで場面を聞き返し、施設の中で共有する記録文に整えるアプリです。そこから、先生が確認して送る保護者向けのおたよりと、明日以降に試すこと(観察する点・関わり方の案)ができます。欠席の連絡や、そのときの家族との相談(相談援助)を残す記録画面、加算の点検は、いまは準備中です。記録の判断と、加算を算定してよいかどうかの判断は、いつも事業所が行います。

※この記事は、2026年10月18日時点の告示・留意事項通知にもとづく一般的な情報です。自治体によって運用が異なる場合があります。個別の算定の判断は、お住まいの自治体や、所管の窓口にご確認ください。

株式会社KOTOHA
放課後等デイ・児童発達支援むけ観察記録アプリ「そだちノート」の運営元です。

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