「支援の質が、職員によってばらつく」「新人がなかなか育たない」。放課後等デイサービスや児童発達支援の運営者から、よく聞く悩みです。
人材不足が続く中で、新しく入った職員に早く戦力になってもらいたい。でも、支援は経験がものを言う世界で、教えるのも難しい。この悩みの一部は、「記録の型を揃える」ことで和らげられます。
属人化は、記録の”型”の不在から生まれる
ベテランの支援員は、子どもの姿を自然に具体的に記録できます。何を見て、どう書けばいいかが、経験として体に入っているからです。
一方、新人はその“型”を持っていません。だから「今日も楽しく過ごしました」のような、あたりさわりのない記録に落ち着いてしまう。支援の質のばらつきは、多くの場合、この記録の型の有無から生まれています。逆に言えば、型を共有できれば、ばらつきは縮まります。
「型」があると、新人は観察の視点を学べる
記録に一定の型があると、新人はそれをなぞりながら、観察の視点を身につけていけます。
「きっかけ・子どもの動き・支援の手がかり」を書く。5領域のどれかの視点で一場面を残す。こうした型があれば、何を見ればいいかが分かり、書きながら観察の目が育ちます。記録の型は、そのまま支援の型を伝える教材になります。
記録が揃うと、チームで子どもを見られる
記録の型が揃うと、もう一つ良いことがあります。誰が書いた記録でも、同じ視点で読めるようになることです。
担当者が休んでも、送迎のスタッフが代わっても、同じ手ざわりの記録があれば、チーム全体で子どもを見守れます。支援が特定の個人に依存せず、組織の力になっていきます。これは、定着や引き継ぎの面でも大きな支えになります。
型を、仕組みで支える
とはいえ、記録の型を口頭のルールだけで揃えるのは簡単ではありません。人が入れ替わるたびに、また一から教えることになります。
私たちが作っている「そだちノート」は、支援員が話すだけで、その日の子どもの姿を観察記録の下書きに整えます。AIがそっと問い返すことで、経験の浅い職員でも観察の視点を自然になぞれる。記録の型が、仕組みとして共有されます。AIは言語化を支える黒子で、子どもの姿に意味を見いだすのは、いつも先生です。
新人が育ち、支援の質が揃う職場へ。その土台づくりを、記録の面から支えられたらと思っています。